Sunday, June 20, 2010

See-D Contest立ち上げのお知らせ

こんにちは。陸です。今、夏のインターンシップでヨルダンに来ています。
ヨルダンは人口の大半が難民(700万人の国に対して、300万人がパレスチナ難民、100万人がイラク難民)という「中東の避難所」のような国です。(事実、イスラエル、シリア、イラクにはさまれながら平和を保っていて、中東で一番安全な国と言われています。中東和平のために平和でないといけない、とも言えますが。)
一方、人口の7割が40歳以下という若さと活気にあふれた国でもあります。
そんな国で特に村落地帯や難民キャンプを尋ねると住居・下水道などのインフラがひどく、なにかできることはないものかと思ってしまいます。今、一番作りたい「適正技術製品」はゴミが簡単に圧縮できるゴミ処理機でしょうか。

さて、そんな適正技術製品、皆さんもその商品開発のプロセスにチャレンジしてみませんか?

このたび、米国NPOコペルニク主催で、See-Dコンテストという適正技術商品の製品化を目的としたコンテストを立ち上げました。コンテストに先駆けて、第1部See-D Innovation Workshopの参加者を募集しています。
See-Dコンテストでは、UTBの実行委員の多くが企画・立ち上げにかかわっています。ぜひ、途上国向け技術開発に興味のある方々すべてにご応募いただければ幸いです。

以下、コンテストの詳細です。
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このたび、米国NPOコペルニクは、日本から途上国の低所得者層の生活水準向上を実現する製品をより多く生み出すことを目的としたプ ログラム、See-D Contestを開催致します。
本プログラムは、優秀な応募案件の2011年事業化をゴー ルとし、
第1部 「人間中心」デザイン手法によるものづくりワークショップ (See-D Innovation Workshop)
第2部 Web上でのアイデア交換によるオープンソースブラッシュアップ&デザインコンテスト (See-D Contest)
第3部 優秀チーム案の事業化サポート (See-D Incubation)
の3部により参加者 のサポートをするものです。本公募では、第1部See-D Innovation Workshopの参加者を募集致します。
なお、コンテストの詳細につきましてはhttp://see-d.jp/ をご覧ください。

===See-D Innovation Workshop募集要項===
【実施概要】
参加者は、3人一組のチーム(※)を組み、プログラム 開催期間(2010年8~10月)の間に、途上国の非電化地域向けに、以下の分野に関わる製品構想(製品概要、設計図、スペック・コストの概要)を考案 し、10月23日(土)に行われる公開発表会において、成 果を発表することが求められます。以下がプログラムの流れとなります。


(1) 公開シンポジウム(7/31): 途上国の現地文化を理解する
(2) ワークショップ (8/21):  デザイン思考を理解し活用する
(3) フィールド調査 (8/28 - 9/4):  東ティモールの非電化村落の村に滞在し、現地生活を理解
(4) ワークショップ (9/11): フィールド調査結果の共有
(5) ワークショップ (9/18): 課題の設定
(6) ワークショップ (10/2): 製品設計とデザインモック作製
(7) チーム作業 (10/2-10/20):    各チームで継続して試作設計
(8) 公開シンポジウム (10/23): 成果発表会
※現地住民への影響やリスクなどを鑑み、 フィールドスタディの参加者数を限定させていただく場合がございます。
※日程は調整の結果、変更となる可能性があ ります。

【開催場所】
シンポジウム: 東京大学本郷キャンパス(予定)
ワークショップ:  東京大学本郷キャンパスおよび千葉大学キャンパス(予定)
フィールド調査: 東ティモール国・非電化村落地帯
※場所は調整の結果、変更となる可能性があります。

【募集人数】
30名

【応募資格】
・途上国向け製品開発に興味のあるエンジニア、デザイナー、個人発明家、商品企画・商品開発担当者もしくは関連する職業につく方もし くは工学・デザインに関連する学科に所属する大学・大学院生

・上記のワークショップの全日程に参加できる方(フィールド調査はオプショナルですが、参加が強く推奨されます)

【参加費】
シンポジウム及びワークショップ:  (社会人・個人)4万円 (学生)2万円 (ワークショップ内の材料費含む)

※フィールド調査への参加費用は別途個人の負担となり ます。
  フィールド調査参加費想定:約20 - 30万円(航空券・現地滞在費・食費を含む概算見積もり)
※優れたアイデアに対してはスカラシップという形で参加費・フィールド調査費用の一部が免除されます。コンテスト実行委員会では、本 企画のスポンサー企業を募集しております。なお、応募される方の所属企業・団体がスポンサーになりますと、同様にスカラシップ支給の 対象になります。


【応募方法】
(1) 応募書類・応募先
http://see-d.jp/ を通じてお申し込みください

(2) 募集形態
応募は個人単位もしくはグループ単位(3人1組)で行うことができます。グループで申し込んだ場合、選抜の合否はグループ単位で決定 いたします。詳しくはウェブサイトをご覧ください。なお、個人とグループの両方に重複してエントリーをすることも可能です。


(3) 募集期間
2010年6月18日~8月1日
※参加者募集にあたり、事前説明会を行います。日程につきましては6月下旬以降、下記ウェブサイトをご覧ください:http://see-d.jp/

(4) 選考方法
書類審査
選考結果通知: 8月上旬
※審査員が必要と判断した場合には、電話による簡単なインタビューをお願いすることがあります。

(5) 問い合わせ先
E-mail: info@see-d.jp
電話でのお問い合わせは受け付けておりません。

【知的財産権の取り扱い】
See-D Innovation Workshop, See-D Contest, See-D
Incubationの全プロセスを通じて、知的財産権の一切は、参加者個人に帰属します。米国NPOコペルニクは本コンテストを通 じて生み出された知的財産権の一切を所有いたしません。

【フィールド調査について】
東ティモール国へのフィールド調査については、一切個人の責任においての参加となります。渡航に際しての予防接種、保険(参加者全員 必須)、首都ディリィまでの往復航空券は、各自で手配いただきます。(必要な情報・アドバイスは提供いたします。)コペル ニク及びSee-D実行委員会は、当旅行期間中に発生するいかなる事故・事件への責任を負いません。


【運営体制】
主催:  米国NPOコペルニク
協力:  NPO法人ETIC.、(株)ミュージックセキュリティーズ、マサチューセッツ工科大学D-Lab、 東京大学i.school
運営: See-D実行委員会

Saturday, June 19, 2010

世界を変えるデザイン展 最終日

遠藤です。
先月から六本木のデザインハブとAXISギャラリーにて行われてきた世界を変えるデザイン展の最終日に、ボストンからskypeを通じて発表させていただきました。

セッション2の「オープンソースの可能性」に登場したのですが、イベントの主催者からは、
自分の活動を紹介してほしいといわれていたのでオープンソースにこだわらず、MITのD-labについて、アクシスギャラリーでも展示されたMIT kneeの開発について、ビジネスモデルを含む今後の展開ついて、さらにはSee-Dコンテストや日本の大学で始まるD-labの紹介をさせていただきました。私のスライドと動画が梅本さまのご協力のもと、イノベーションラボにアップされています。

同じセッションには、NOSIGNERさんと、同じメディアラボに現在おられる田中浩也先生とご一緒させていただきました。NOSIGNERさんからは彼がすすめているOpen Source Productについて、田中先生はFablab Japanについての紹介がありました。どちらも今後がたのしみなプロジェクトです。
3人の発表の後のQ&Aでは、オープンソースに関する質問が多くでました。特に、オープンにすることによって、日本の製造業はどうなるのか、途上国の人からライセンス料をもらうことが本当にできるのか、いままでに実績はあるのかなど、オープンソースをとりまくさまざまな問題に集中しました。私は、ビジネスモデル案にもあるように、途上国のNGO/NPOに現地で作れるような義足をデザインしております。そして、彼らが義足を1つ作る際に1ドルほどのライセンス料をいただくような話をすすめています。(まだ決定ではなく、Jaipurfootと話をすすめている段階です)よく途上国ではすぐにまねされるから、ライセンス料はとれないのではという質問を受けます。おそらくまねはされるであろうし、まねされるのは大歓迎です。ただ、この1ドルは、自分が作った義足に関する責任とまた新しい義足をつくるための投資のためであり、義足そのものに発生しているものではないのです。もし問題が発生したらすぐに対応するつもりですし、また新しい要望が現地からあれば、すぐにでも新しい義足をデザインするつもりです。NOSIGNERさんの提案したオープンソースのコンテキストはもちろん、途上国向けの技術でも話題につねにあがっているテーマで、われわれもそれに近いコンセプトで途上国向けの技術公開をする予定です。オープン≠ビジネスという先入観があるからか、ソースをオープンにすると日本の製造業は今後大変になるのではという質問もありました。そんなことないと思います。最後に問われるのは、その技術を他の人に与えたあと、どうやってそのプロダクトの責任を誰が追うのかというところだと思います。Creative Common Licenseも今後の動向に注目したいです。

今回の発表では、2台のPCをskypeでつなぎ、田中先生と私の顔をビデオで会場に送っていたのと、もう1台をiChatを使ってデスクトップ共有をして、発表者が会場のPCを使ってスライドを操作しました。打ち合わせではいろいろな方法を試したために、かなりの時間を要しましたが、その結果非常にスムーズな進行だったと思います。当初、田中先生とは「skypeだからパネルには参加できなそうだよね」というような話をしていたのですが、まったくその心配はいらなかったです。これには田中先生の研究室に所属している学生達が多大な貢献をしました。どうもありがとう。