Saturday, June 19, 2010

世界を変えるデザイン展 最終日

遠藤です。
先月から六本木のデザインハブとAXISギャラリーにて行われてきた世界を変えるデザイン展の最終日に、ボストンからskypeを通じて発表させていただきました。

セッション2の「オープンソースの可能性」に登場したのですが、イベントの主催者からは、
自分の活動を紹介してほしいといわれていたのでオープンソースにこだわらず、MITのD-labについて、アクシスギャラリーでも展示されたMIT kneeの開発について、ビジネスモデルを含む今後の展開ついて、さらにはSee-Dコンテストや日本の大学で始まるD-labの紹介をさせていただきました。私のスライドと動画が梅本さまのご協力のもと、イノベーションラボにアップされています。

同じセッションには、NOSIGNERさんと、同じメディアラボに現在おられる田中浩也先生とご一緒させていただきました。NOSIGNERさんからは彼がすすめているOpen Source Productについて、田中先生はFablab Japanについての紹介がありました。どちらも今後がたのしみなプロジェクトです。
3人の発表の後のQ&Aでは、オープンソースに関する質問が多くでました。特に、オープンにすることによって、日本の製造業はどうなるのか、途上国の人からライセンス料をもらうことが本当にできるのか、いままでに実績はあるのかなど、オープンソースをとりまくさまざまな問題に集中しました。私は、ビジネスモデル案にもあるように、途上国のNGO/NPOに現地で作れるような義足をデザインしております。そして、彼らが義足を1つ作る際に1ドルほどのライセンス料をいただくような話をすすめています。(まだ決定ではなく、Jaipurfootと話をすすめている段階です)よく途上国ではすぐにまねされるから、ライセンス料はとれないのではという質問を受けます。おそらくまねはされるであろうし、まねされるのは大歓迎です。ただ、この1ドルは、自分が作った義足に関する責任とまた新しい義足をつくるための投資のためであり、義足そのものに発生しているものではないのです。もし問題が発生したらすぐに対応するつもりですし、また新しい要望が現地からあれば、すぐにでも新しい義足をデザインするつもりです。NOSIGNERさんの提案したオープンソースのコンテキストはもちろん、途上国向けの技術でも話題につねにあがっているテーマで、われわれもそれに近いコンセプトで途上国向けの技術公開をする予定です。オープン≠ビジネスという先入観があるからか、ソースをオープンにすると日本の製造業は今後大変になるのではという質問もありました。そんなことないと思います。最後に問われるのは、その技術を他の人に与えたあと、どうやってそのプロダクトの責任を誰が追うのかというところだと思います。Creative Common Licenseも今後の動向に注目したいです。

今回の発表では、2台のPCをskypeでつなぎ、田中先生と私の顔をビデオで会場に送っていたのと、もう1台をiChatを使ってデスクトップ共有をして、発表者が会場のPCを使ってスライドを操作しました。打ち合わせではいろいろな方法を試したために、かなりの時間を要しましたが、その結果非常にスムーズな進行だったと思います。当初、田中先生とは「skypeだからパネルには参加できなそうだよね」というような話をしていたのですが、まったくその心配はいらなかったです。これには田中先生の研究室に所属している学生達が多大な貢献をしました。どうもありがとう。

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