越田です。
慶應大学で9月30日、いよいよD-Labライクな授業、「世界を変えるもの作り」(毎週木曜日3限、日吉キャンパスJ417)が講師:竹村研治郎先生(機械工学科)、TA:越田渓でスタートしました!
20名弱の少人数授業ですが、学生たちも
・ものづくりに興味があったから
・国際関係の仕事をしたいから
・途上国開発に興味があり、将来途上国のために仕事をしたいから
・世界の中の日本の現状を理解し、途上国に貢献したいから
・デザインに興味があるから
・関心を広げたいから
・プレゼンスキル、ディスカッションスキルを磨きたいから
と様々な目的意識を持って授業を履修していました。
さらに、慶應メディアデザイン研究科(KMD)の徳久悟先生、SFCの学生、矢上の学生も聴講に遥々聴講に来てくれました。
自己紹介をして、なぜ理工学部に来たのか、なぜこの授業を履修したのか、将来何を成し遂げいのか・・・など各自の考えを共有してから、この授業の大きな4つのテーマ
1.適正技術とは
2.社会との関わり
3.恵まれた者が果たすべき役割
4.複数の価値観への理解
について議論。
竹村先生が議論をリードしつつ、初めは緊張していた学生たちも徐々に発言しだし・・・
・適正技術:どういう人が使うか考えるべき。ローテク、ハイテクどちらがいいではなく、より適している方を活用すべき。
・経済、お金とか一つの価値観しかないのは恐いこと。
さらに・・・
・社会貢献と自己満足の違いは?どうやって相手に貢献していると言えるのか?迷惑かも?将来の幸せにはつながらないかも。
というクリティカルな疑問も。
ある学生は、
・提供だけして、使うかどうかは相手に判断させればいいのでは?
また別の学生、
・しかし、提供する時の情報、説明はどうするか?本当に相手が理解して判断していると言えるか・・・
See-D Contestにて東ティモールでの現地調査の経験もあるKMDの徳久先生は、
・いかに現地に入って、現地のことを理解するかが大事。一方的に与えるのではなく、何に関心を持っているかを理解すること。
議論の後は、竹村先生より、適正技術と義足の例。
MIT Media LabのBiorobotics groupのハイテク義足と同じくMITのD-Lab Developing World Prosthesisの途上国向けローテク義足を比較し、適正な技術とは何かを学生に問う。
最後に学生からは、
・技術の選択以前に、最低限必要な生活や安全を保障することが大事
・西洋的なものを提供することが本当に彼らに合うのか。何を本当に欲しがっているかを考えることが大切
・支援という時点で上から目線。学校を作るにしろ、その後の教員、授業が大切。持続的に考えなければならない。
・せっかく先進国が持っている技術を、途上国に活かすのが、技術を専門としている人の義務
・途上国の生活レベルを上げて、先進国のものを買ってもらおうとするのであれば、それも結局は先進国の都合に過ぎない
・こちらから技術を与えるだけでなく、向こうの人にも先進国に来てもらい、教育、研修をすることが大切
・日本人よりもアフリカの人の方が幸せ度が高いという話を昨日聞いた・・・
など多くの意見、感想が上がりました。
学生たちは、ものづくりのさらなる可能性に気付いたでしょうか?途上国に対する理解が少しでも深まったでしょうか?途上国開発の難しさを学んだでしょうか?MITという最先端の技術を扱う人たちが、広い視野を持って新たな事に取り組んでいる現状から何か刺激を受けたでしょうか?
内向きになっていると言われる日本、元気がないと言われる日本の学生。
しかし、学部1、2年生からこれだけ世界に向けて問題意識を持ち、(確かにシャイで発言は少ないかもしれませんが)きちんと自分の意見を持ち、発言する姿を見て、日本の若者がこれからこれらの分野でどう世界に貢献していくかワクワクしてきました。
来週の授業もさらに盛り上がるはず!
動きだし始めたばかりの、日本の大学での新たな試みですが、これからも応援宜しくお願いいたします!
写真や動画も随時アップ予定!
Thursday, September 30, 2010
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