Sunday, October 24, 2010

「世界を変えるもの作り」(D-Lab@Keio)第四回

「世界を変えるもの作り」 TAの越田です。

いよいよ慶應大学での「世界を変えるもの作り」も第四回目となりました。

今回は、学生のみなさんに、これまで三回目の授業を通して感じたこと、学んだこと、そしてそれまで持っていた問題意識などを元に、これからこの授業を通して考えていきたい問題、実現したいことを発表してもらいました。

ビジネスとしての継続性と森林伐採、子供の労働、煙による子供の病気などの問題の解決に着目し、"Design for the Other 90%"の畑から作る燃料の改良として、他の原料でもこのような炭を作れないかを模索する学生。

交通事故が多い途上国において、いかに交通システムを改善するか。
(しかし、交通事故が多いのは、道路の設計の問題か、信号などがないからなのかげ、現地人のモラルの問題なのかをもっと考える必要があるというするどい意見も。)

神戸震災の経験を元に、当時、道路の崩壊などで救援物資が届かなかったことから、途上国でも同じような状況だと想像する学生。物流の重要性から、いかに途上国の物流、交通インフラを良くするかを考える。

すでに広く用いられ始めている太陽光発電ランタン、これをさらに有効に幅広く使用するにはどうするべきか。
(先生、学生からは、シリコン系のパネルは紫キャベツの色素で発電する、や、インドでは人の髪をパネルに挟んで発電する技術もある、などというアドバイスもあり、どのように太陽パネルを安価に途上国で生産できるかを考えるのも興味深い。)

世界で10億人と言われるスラムの人口。そのスラムにおいて、大がかりな工事などをするのではなく、いかに伝染病予防などにもなる”衛生な”生活を実現するか。そして、そのような快適な生活を実現することで生活者のメンタリティー、ライフスタイルの改善にもつなげたいというアイデア。

熱帯地域でかつエアコンなどを取り付ける余裕のない家庭において、いかに快適な生活を送れる家を安価に建築するか。日本で一番安い家を建てるのにも500万円かかる中、それをどこまで下げられるかを模索する学生。

貧困を救うには教育が最も重要だと、前回の遠藤さんの講演を聞いて感じた学生。しかし途上国の多くの子供は労働に使われる時間が多く、教育に多くの時間を割けない現状もある。いかに労働環境、労働力を改善して、子供の労働時間を少しでも減らし教育に力を入れられないかを考える学生。

キッチンで出る有害な煙による子供の病気なども多発している。しかし、煙辞退には虫よけなどの効果もあるという。いかにして、”有害でない”煙を出すか。そのためにはバイオガス(生き物の排泄物やゴミなどのガス)を利用できないかという考え。

広大な地域に巨大な太陽光パネルを設置して、都市での発電に役立てられないか。
(しかし、日本の商社など、世界の広大な地域に次々と太陽光パネルを設置する動きも既に存在する・・・)

安全な水をいかに普及させるか。既にライフストローなども存在するが、いかに特別な樹脂などを使わずにそのような製品を作るかということを考える学生も。

貧困国での衛生に着目し、医療費が高いせいでまともな医療を受けることができない人々が多くいるという現実。病気の検査キットなどを現地の素材を用いて製品化することはできないか。

などなど、まだまだ学部1、2年生とは思えないような問題意識の高さと、そのような学年ならではの、斬新なアイデアが出てきました。
また、学生どうしや先生、TAからも建設的な意見が加わり、議論は盛り上がり、よりリアリティーのあるアイデアに近づいていきそうな予感。

さらに、多くの課題、アイデアはそれぞれ密接につながっており、またエネルギー、建築、輸送など連携して取り組めそうな課題もあり、個人個人で考えを進めるのではなく、全体として、問題意識を共有し、その解決のために知恵を絞り協力していく流れになっていくと面白いなと思いました。

今学期終りまでに、学生たちがどれだけアイデアを現実的で深いものにできるかが楽しみです!

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